赤ちゃん期から幼児期にかけて、子どもがなかなか寝てくれなくて困るお母さんお父さんは多いと思います。
「ネントレ」と呼ばれる赤ちゃんの「ねんねトレーニング」はよく知られていますが、「本当にこれで合っているの?何が正しいやり方なの?」と不安に感じる方もいるでしょう。
ここでは、そのネントレについて詳しく紹介していきます。
ネントレとは
ネントレは、「寝るトレーニング」の略で、特に赤ちゃんや幼児が自分で眠れるようにするための習慣づけや訓練を指します。日本では育児に関連して使われることが多い言葉で、英語の「Sleep Training(スリープトレーニング)」が由来です。ねんトレの目的は、赤ちゃんが親の手助けなしでスムーズに眠れるようになることです。
ネントレはいつから始めればいいのか?
ネントレを始める時期は、赤ちゃんの発達状況や家庭の状況によりますが、一般的には生後4〜6か月以降が適切とされています。この時期は、赤ちゃんの睡眠リズムが整い始め、夜通し眠れる能力が発達してくるからです。
始める前のチェックポイント
- 体調が安定しているか
- 病気中や予防接種の後など、赤ちゃんが不安定な時期は避ける。
- 生活リズムが整ってきているか
- 昼夜の区別がつき始めているかを確認する。
- 授乳間隔がある程度空いているか
- 夜間に数時間寝続けられるようになってきているか。
主な方法
ねんトレにはいくつかの方法があります。家庭や赤ちゃんの性格に合ったものを選ぶことが大切です。
1. フェードアウト法
- 徐々に親の関与を減らしていく方法。
- 例えば、最初は赤ちゃんを抱っこして寝かせ、次第にベッドに置いてトントンするだけにするなど。
2. 泣かせる方法(Ferber法)
- 赤ちゃんが泣いても、すぐに抱き上げず、一定時間を置いてから対応する。
- 赤ちゃんが自己調整で眠る力をつけることを目指す。
3. 無泣法(No Tears Method)
- 赤ちゃんが泣かないように、抱っこやおっぱいで落ち着かせながら徐々に自力で眠る習慣をつける。
メリット
- 親の睡眠の改善:赤ちゃんが夜中に起きにくくなるため、親も質の良い睡眠を得られる。
- 赤ちゃんの自立心向上:自分で眠る力がつくことで、成長に役立つとされる。
デメリット・注意点
- ストレスになることも:方法によっては、赤ちゃんや親にストレスを与える可能性がある。
- 個性に合わない場合もある:赤ちゃんの性格や発達段階によって、効果が出にくいことも。
ネントレ便利グッズ
ねんトレを進める際には、赤ちゃんが快適に眠れる環境を整えることが大切です。以下に、ねんトレ中にあると便利なアイテムを紹介します。
スリーピングバッグ(スリーパー)
- 赤ちゃんを包む寝袋型の服。布団がはだけても赤ちゃんが寒くならず、安全に眠れる。
- 季節に合った素材(冬はフリース、夏は薄手のコットン)を選ぶ。
ホワイトノイズマシン
- 心地よい「サー」という音を流す機械で、赤ちゃんをリラックスさせる効果がある。
- 胎内音に似ているため、安心感を与えやすい。
- スマホアプリや専用機器を使うのも◎。
おしゃぶり(赤ちゃんに合う場合)
- 口の吸う動作は赤ちゃんを落ち着かせる効果がある。
- 必ず赤ちゃんが安全に使えるものを選び、寝る前に活用する。
遮光カーテン
遮光カーテンによって、外からの明かりを遮れるため、赤ちゃんへの刺激を減らせ、暗く落ち着いた寝室を作れます。
真っ暗であればあるほど効果はあります。
ネントレの注意点
ねんトレを進める際には、赤ちゃんの健康と家族のストレスを考慮し、安全で無理のない方法を選ぶことが大切です。以下に、ねんトレを行う際の注意点をまとめました。
1. 赤ちゃんの健康状態を最優先にする
- 体調が万全であること
風邪や熱がある場合、予防接種の直後など、赤ちゃんの健康が不安定なときは避けましょう。 - 発達段階を理解する
生後3か月以内の新生児期は睡眠リズムが未成熟なため、ねんトレは適していません。生後4~6か月以降から始めるのが一般的です。
2. 家族全員の理解と協力を得る
- ねんトレを進めるには、一貫性が重要です。家族間で方針が異なると赤ちゃんが混乱しやすくなります。
- パートナーや同居している家族と事前に計画を共有し、協力して進めましょう。
3. 泣かせすぎに注意
- 泣かせる時間を長引かせすぎると、赤ちゃんにストレスがかかりすぎることがあります。特に新生児や敏感な赤ちゃんには配慮が必要です。
- 「泣かせてから対応する方法」(Ferber法)を試す場合は、赤ちゃんの様子をよく観察し、無理をしないようにしましょう。
4. 赤ちゃんの個性を尊重する
- 赤ちゃんによって眠りやすさや寝つきのタイミングは異なります。
例:すぐに眠れる子、時間がかかる子、環境の変化に敏感な子など。 - 他の家庭の成功例をそのまま当てはめず、自分の赤ちゃんに合った方法を選ぶことが大切です。
5. スケジュールに柔軟性を持つ
- 初めてのねんトレは計画通りに進まないこともあります。
無理に決めたスケジュールにこだわらず、赤ちゃんのリズムや家庭の状況に応じて調整しましょう。
6. 一貫性を保つ
- ねんトレを進める際は、ルールを途中で変えすぎないようにしましょう。一定の方法を試すことで赤ちゃんが新しい習慣を覚えやすくなります。
7. 寝る前の環境づくりを整える
- 寝る前の刺激を避ける
テレビやスマホの明るい画面、賑やかな音などは赤ちゃんが興奮して寝つきにくくなります。 - ルーティンを作る
例:お風呂 → 授乳 → 絵本 → ベッド、のように毎晩同じ流れを作ることで「眠る時間」を認識しやすくなります。
8. 適切な環境を保つ
- 部屋の温度と湿度
快適な室温(20~22℃)と湿度(40~60%)を保つ。 - 安全な寝具
柔らかすぎる寝具やぬいぐるみは窒息の危険があるため避けましょう。
最後に
ねんトレは、赤ちゃんと家族にとって新しい睡眠習慣を作るプロセスです。
慣れるまでは、赤ちゃんが泣いてしまったり、なかなか寝つけなかったり大変かもしれません。しかし赤ちゃんには一人ひとり寝る力がありますので、焦らずに徐々に進めていきましょう。
ただし、ネントレは絶対必要なことではありません。泣いている赤ちゃんをそのまま置いておくのが耐えられないという方も多いと思います。その場合は、ネントレを無理におこなわなくても大丈夫です。
とはいえ、ネントレをして赤ちゃんが一人で眠れるようになれば、ママやパパも快適に眠れるようになります。
始める場合は、一貫性を持ちながらも柔軟に対応し、赤ちゃんの成長と家族の快適な生活をサポートしていきましょう。